受験生をサポートするためにママにできるお手軽なこと
この記事の目次
コロナによる休校・休園
とうとう緊急事態宣言が発令されましたね。
~最近の感情カウンセリングでのワーキングマザーの声~
●自分も在宅勤務になり、子供と始終一緒に過ごしているので、ちょっとのことでイライラしてしまい、ついつい口うるさくなってしまう。
●夫も子供も家にいるので、朝食が終わると昼食の準備、そして昼食が終わると夕食のしたくと、仕事もあるのに自分だけが一日中、家族の食事作りに追われている気がする。
●仕事の〆切がせまっている時、子供に何度も話しかけられると上の空になってしまい、子供にしっかり向き合えていなくて、母親として後ろめたさを感じる。
●保育園の対応が決まらず、二人の子供を家で見ながら仕事をしているが、いつまでこの状態が続くのか、先行きがわからず不安がつのる。
私自身も、ここ2ヶ月は完全在宅勤務をしながら、学校が休校になった小6の息子と一緒に過ごしています。
塾も1ヶ月休校になり、私学なのでお友達も遠方でほとんど会えない日々が続いています。
学校や塾が休校になって私がまず思ったのは、これで私も他のママ達のように子供の勉強を見てあげる時間がとれる、少しは受験生の母親らしいことができるかもしれないということでした。
受験生の母親らしさって?
私が「他のママ達のように」と考えたきっかけは、同じ小学校に通う先輩ママとのお茶会にありました。
ちょうど一年前、2学年上、1学年上のママたちとのお茶会をした時のことです。
あるママは、塾のある日は必ず学校の最寄り駅まで子供を迎えに行き、制服から私服に着替えさせて、軽食を食べさせ、ランドセルを受け取って塾のカバンを渡して見送る、ということを受験までの3年間、欠かさずに続けたそうです。
もう一人のママは、子供のの苦手なポイントをまとめた教科別のノートを自作して勉強をサポートしていました。
見せてもらったノートには、Lineのメッセージ風に吹き出しやイラスト付きでポイントが書かれており、このまま出版できるのではと思えるほどのできばえでした。
そしてそのママは、ノート作りに夜中までかかっても、今しかできないから、それが楽しくてしかたない、と語っていました。
二人の話を聞いて、働いている私は、どちらの真似もできないと思いました。
そして二人に比べて、私は息子を十分にサポートできていないと不安と後ろめたさを感じたことを覚えています。
そこで今回、私は在宅勤務、息子は休校という状況になり、多少なりとも子供の勉強をみてあげるチャンスが巡ってきた、少しでも受験生の母親らしいことができると考えたのです。
早速、息子の塾の宿題をみたり、暗記教科の手伝いを始めました。
なんでできないの?
息子の勉強を見ていると、暗記科目には何回やっても覚えられないものもありました。
横で見ているこちらの方が先に覚えてしまうので、なんでこんなに覚えられないのだろう、と思っていました。
時にイライラして「なんでできないの?」と口走ってしまうことさえありました。(一番の禁句ですが)
そこで、カーっとなりそうになった時、一歩ひいてみることにしました。
大人にとっては、例えば歴史にしても化学にしても、小中高と何回も繰り返して学んできて全体像をとらえながら知識を深めてきたので、当然のことながら、暗記もし易く定着し易いです。
しかし小学生の子供にとっては、全てが初見なのです。
だから1回で覚えられなくても当たり前で、何回かやっていく中で少しずつ定着していくのがごく普通なのです。
大学時代に塾講師のバイトをしていた頃は、一人ひとりの子供がつまずいたところまで戻って丁寧に教えてくれると評判もよかったのですが、自分の子供のこととなると全くダメでした。
自分の考える高い到達点を勝手に決めて、それに達していないからダメなのではないかと不安になっていました。
私が実践した2つのこと
この状況を変えようと、私は二つのことを実践しました。
一つ目は、子供と向き合っている時に出てくる「感情を感じる」です。
例えば、息子が朝起きてからダラダラとTVを見ていて、全く勉強を始める気配がないとイライラしてきます。
そこで私は別室に行き、自分の感情を感じてみます。
はじめは相手に対するイライラだと思っていても、その中に留まっていると自分自身の不安がモクモクとわいてくるのを感じます。
さらにじっくり感じていると、その不安も、子供の将来への不安というより、自分自身の中学受験の挫折からの自分自身への不安だと気づいたりします。
このように感情が波立った時は、一人になれる場所で自分の感情と向き合うようにしました。
もちろん仕事中など、リアルタイムで感じるのが難しい時は、夜になって子供が寝静まってから、そのシーンを思い出して感じるようにしました。
二つ目は、「子供を信じて手放す」です。
頭では、私は子供のことを抱え過ぎていることはわかっていたのですが、どうも行動が変わらなかったのです。
そこでまずは言葉から変えてみました。
「9時から勉強するお約束でしょ!」ではなく、「今日のスケジュールは?」と聞くようにしました。
そうすると「今日は9時半から勉強始めるね。」と子供が自分で決めるようになりました。
一日に何をどういう順番でやるかも子供の判断に任せました。
大人でも、朝から難しい調べものをするよりも、簡単なメール処理などから仕事を始めた方が、その後の作業がスムーズに進むことがあります。
子供も同様で、朝から資料を読みながら新しい内容を学ぶよりも、簡単な計算問題などでウォーミングアップしてから難題に取り掛かる方がスムーズに進むのです。
毎朝、その日の自分の状態、気分によって「時間割を自分で決める」のです。
すると当然のことながら、親に決められた順番でやるよりも、はかどるようです。
昔の自分を重ねる
子供の勉強をみながらでてくる自分の感情を見つめていると、子供時代の自分と息子を一体化していることに気づきました。
これまでも子離れできていないと頭では理解していたつもりでしたが、やっと実感できるようになりました。
息子が問題を解けるようになると、小学生の私がその問題を解けることになったかのような喜び、満足感を感じていたのです。
反対に息子にできない問題があると、小学生の私がこの問題を解けないと受験で失敗するのではないかという不安を感じていたのです。
当初は、在宅密着型の生活に乗じて、これまでできていなかった”受験生の母親らしい”ことをしようと始めたはずが、私がやっていたことは、ただ過去の自分の不安や後悔を息子を使って埋めようとする行為でしかありませんでした。
しかし、自分の「感情」の問題なので、子供を使ってやろうとしても埋まるはずがありません。
さらに普通に仕事をしていた時よりも一段と、物理的にも心理的にも子供に密着してそれを行っていたので、子供にとっては相当重たい母親になっていたわけです。
信じて手放す
自分の感情に向き合っていくと、これまでも頭でわかっていてもできていなかった「子供を信じて手放す」ことが少しずつできるようになりました。
子供の将来への不安だと思っていたものが、過去の自分への不安だったことに気づきました。
なので、そういった感情が出てくる度に立ち止まり、不安や怖れを地道に感じていけばよいのです。
そして、子供の将来について気になった時は、今の目の前にいる息子を見ながら将来の姿を想像してみることにしました。
すると、息子が健やかにのびのびと自分らしく育っているエネルギーを感じることができます。
なので、ただそれを信じていればいいのです。
子供の力
来週から息子の小学校の授業の動画配信が始まります。
塾の授業はいち早く動画配信に切り替わっていますが、うちには子供専用のPCがないため、息子はスマホで動画を見ていました。
しかし小さい画面では見づらいだろうと、スマホをTVに繋ぐことを考えていました。
すると息子がゲーム機をTVに繋げば塾の動画を見られるよと、あっという間に自分で配線してくれました。
今週から私の会社内のジムでも、フィットネスの動画レッスンが始まったのですが、画面表示を切り替えたり、ジムの映像を画面にピン止めしたり、と初めのセットアップも息子が全部やってくれました。
そして横で一緒にストレッチやヨガを楽しんでいます。
子供の順応性はとても高いです。
そして30年以上前の私の小学校時代と今の息子の時代は全く違い、自分と息子は別人格であると日々、実感させられています。
まとめ
コロナの影響で、在宅勤務の会社も増え、子供たちの休校・休園も増えて、これまで以上に子供と近くにいるママたちも多いと思います。
これまで自分のことは自分でと言い聞かせていたり、子離れしていたつもりが、物理的な距離が近づくと、意外と子供との心理的距離も近づいていることもあるかもしれません。
せっかくのチャンスですので、今一度、お子さんとの心の距離感を見つめ直してみてはいかがでしょうか。
子供と向き合っていて出てくる感情があれば感じてみること、もし行動を変えるのが難しければ言葉から変えてみることも有効です。
そして、心理的に子供に近づきすぎていると気づいたら、まずは別室に行くなど、物理的に距離をとってみることから始めてみましょう。
先行きの見えない時ですが、自分や子育てに向き合うチャンスと考えて一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。
感情とのつき合い方、解消のしかたを知りたい方は、お知らせください。
ご一緒に変わっていきましょう!
ビジネスコンサルタントとして仕事をする傍ら、社内外での人間関係、夫や子供との関係をもっと円滑にしたいと感情カウンセリングを学ぶ。その中で、自分が不安ベースで生きてきたことに気づき、これまで見ないできた感情を感じるようになると仕事&家族関係も好転し、がんばらなくても生きやすくなったという実感を持つ。
現在は、感情カウンセリングを提供すると共に、職場のワーキングファミリーコミュニティで「子育てにおける感情の取扱説明書」セミナーを継続開催するなど、感情カウンセリングの良さを伝えることも積極的に行っている。