同僚に仕事を依頼するときの抵抗感が減り、仕事を進めやすくなったこと
この記事の目次
仕事を依頼するときに感じていた抵抗感
私は平日の昼間は、製造業の会社で技術系の仕事をしています。
製品クレームの改善が主な役割となるため、設計部門や製造部門などに、問い合わせをしたり、仕事を依頼する機会がとても多い業務になります。
しかし、私は人に仕事を依頼することが苦手で、抵抗感を感じることが多かったため、業務を進める上でのストレスも大きくなりやすく、仕事を円滑に進められるようになるためにも、改善が望ましいものでした。
そこで今回は、同僚に仕事を依頼する時に感じていた抵抗感を減らした取り組みについて書きたいと思います。
その同僚は、仕事が出来る多忙なエンジニアです。
あるとき、この方にクレーム品の解析を依頼するために、自分の席を立ち、デスクに向かおうとした時のことです。
なんとなく抵抗感があり、スムーズに動き出せませんでした。
体感覚としては、鳩尾のあたりがきゅっと縮こまり、重苦しい感じ。
この感覚は心地よいものではなく、できれば感じたくないものです。
思わず他の業務のメールに返信してしまうなど、仕事の依頼を先延ばしにしてしまいました。
しかし、業務を進めるためには、同僚のエンジニアに仕事を依頼することは避けられません。
自分を鼓舞して、席を立ちあがり、同僚のデスクに向かいました。
「今、お時間大丈夫ですか?」と声をかけました。
重苦しい感覚があるのを感じながらだと、表情や声のトーンもこわばった感じになってしまいます。
そうすると、その影響を受けて、相手の応答も冷たく固い感じになりました。
依頼内容は簡単には答えが出ないような複雑なものでした。
説明していると、だんだん同僚の表情が曇り、受け答えに少しイライラした雰囲気が混じってくるのを感じました。
相手のイライラした雰囲気を感じると、萎縮した気持ちになりました。
申し訳ないような感覚も出てきました。
仕事の依頼は無事に出来たものの、全体的に重苦しい雰囲気となってしまい、後味の悪い時間になってしまいました。
このように仕事を依頼するときにネガティヴな感覚を味わう経験をすると、仕事を依頼することを億劫に感じてしまい、仕事を進める上での心理的な重荷になっていました。
そうすると、仕事を依頼する必要性を感じたときに、すぐに動き出せずに時間を要してしまったり、タイミングを逃して仕事の依頼が翌日となり、業務の遅れに繋がることなど、弊害があることを感じていました。
感情のクリアリング
仕事を依頼する時に抵抗感を感じた時のことを回想し、出てくる感情のクリアリングから進めていくことにしました。
回想を進めていくと、強い恐怖の感情が出てきました。
鳩尾のあたりから、あとからあとから溢れ出てきます。
強烈な感情を感じ続けるのが辛かったので、恐怖の感情が出てきた部位(鳩尾辺り)から、少し意識を離してやることで、強さが軽減され、無理の無い範囲で、少しづつ感じ続けることができました。
恐怖の感情を感じることが一段落すると、今度は、どす黒い塊のイメージが浮かび上がってきました。
自分を否定するような感覚の塊です。
この黒い塊に意識を向けると、悲しさや悔しさの感情が出てきました。
出てくる感情を感じ続けていると、「俺はダメな人間だ」という想いが出てきました。
なかなか手強くて、簡単に無くなりそうもなかったので、自分を否定する想いの塊があることを記憶しておき、この日は感情のクリアリングを終えることにしました。
あくる日、感情のクリアリングの続きを行いました。
仕事を依頼している時の情景を回想し、出てくる恐怖の感情を感じていくと、今度は怒りの感情が出てきました。
「俺をなめるんじゃない!」という想いも出てきました。
仕事以外で会話した時と仕事を依頼している時との相手の声のトーンや表情の微妙な違いから、自分がぞんざいに扱われたように主観的に感じることにより、怒りの感情が蓄積していたようでした。
鳩尾のさらに下あたりから、怒りの感情がどんどん沸き上がってきました。
悔しさの感情も出てきました。
小一時間ばかり、怒りと悔しさを感じ続けていると、仕事を依頼する時の情景を思い浮かべても感情がほとんど出てこなくなってきたので、クリアリングを終えることにしました。
自己理解を深める
感情のクリアリングが進んでくると、感情を生み出した要因である、心の中にあるトラウマや固定観念などを認識しやすくなってきます。
要因を知ることにより、トラウマの解消や固定観念を手放すことが行いやすくなるため、内観を進めていきました。
「忙しい時に仕事を依頼すると嫌われる」という想いが出てきました。
なぜ、そう感じるのか?考えてみました。
そもそも忙しい時に、仕事を依頼されることは嬉しいことではありませんが、仕事の依頼の仕方が礼を失するものだったり、相手への気遣いが足りないようなことが無ければ、それだけで依頼者を嫌うことは、通常考えにくいことです。
仕事を依頼した時の相手の受け答えの様子において、少しでもイライラしている雰囲気があることを感じとることにより、私の心の中にある相手の機嫌を損ねることを怖れる想いから生み出された恐怖の感情の影響により、短絡的な誤った認識「忙しい時に仕事を依頼すると嫌われる」が形成されていたと考えられます。
さらに、なぜ同僚に嫌われることを怖れているのか?考えてみました。
「一人ぼっちになりたくない」という想いが出てきました。
幼少期(小学校2〜3年生頃)の記憶のようです。
当時、近所の子供達のコミュニティにおいて、リーダー格の子の不興を買った友達が仲間外れにされるのを見ていたため、
「リーダー格の子(有力者)に嫌われると、仲間外れにされる」という観念が形成されていました。
さらに幼少期の私は、友達の輪に加わるのが苦手であったため、「せっかく加わった輪から仲間外れにされることを避けたい」想いと仲間外れにされることへの恐怖の感情が蓄積していました。
そして、仕事が出来る同僚に対して、当時のリーダー格の子を投影していたことも、その同僚から嫌われることへの恐怖に繋がっていたようです。
また、仕事の出来る同僚に嫌われると、依頼した仕事をスムーズにやってもらえなくなったり、仕事の依頼自体が行いづらくなり、「仕事がスムーズに進まない → 価値提供が出来ない → 給料が貰えない → 生きていけない」という認識になっていて、心の中にあるエゴ(自己防衛本能)としては、生命に関わる一大事として受け取ってしまい、エゴが警報を鳴らす(強い恐怖の感情を生み出す)ことに繋がっているようでした。
他にも原因がありそうだったので、さらに同僚に仕事を依頼する時の抵抗感を生み出す要因を探っていきました。
自分を否定するような想いがありました。
感情のクリアリングの時に出てきていた黒い塊です。
「仕事の出来ない駄目な自分が、優秀かつ多忙な同僚の手を煩わせるのは、申し訳ない」という想いがありました。
自分が会社において、生み出している価値をちゃんと認識できていなかったことや、以前の上司の教育方針が、ダメ出しを主とする傾向があったため、会社内において自分を卑下するような、自己認識が形成されていたようです。
仕事の依頼がスムーズに出来るようになってきた
今回の取り組みを通じて、同僚に仕事を依頼しようとした時の感覚に変化が出てきました。
以前感じていたネガティブな感覚や感情がほとんど出てこなくなったため、スムーズに動き出せるようになってきました。
重苦しい感覚がないと、心身ともにリラックスした状態で仕事の依頼が出来ます。
依頼時の雰囲気も和やかなものとなりました。
こうした変化により、仕事を依頼すること自体が気楽なものとなり、仕事を進めるためにもっとも効率のよい手段を、ネガティブな感覚や感情に左右されずに、シンプルに選択できるようになりました。
また、この同僚に対する心の壁が外れてきたためか、以前よりも気軽に接しやすくなったのを感じています。
まとめ
仕事を依頼する時に感じていた抵抗感を減らす取り組みとして、蓄積した感情のクリアリングを進めていきました。
そうすることで、同僚に仕事を依頼する時にネガティヴな感覚や感情を生み出していた要因(幼少期のトラウマ、固定観念など)に気づくことができました。
この取り組みを通じて、自己理解・自己承認が進むことにより、仕事を依頼する時にネガティヴな感情や感覚を感じることが減っていき、仕事を進めやすくなりました。
生きていく中で様々な心理的な重荷はつきものですが、感情を手がかりにその要因に気づき、身軽になっていけることを実感するほどに、人の心は変えていけるものという認識が強まってきました。
幼少期から自分を縛る観念やトラウマの影響を受けてきた私としては、生きることに対する安心感が増し、生きる喜びを味わえるようになっていくのを感じています。
高校時代より、人と自然体で接することができず、社会の中で人と交わり生きていくことに、強い不安と苦しさを感じていました。この生きづらさを解消する道を模索する中で感情カウンセリングと出会い、人として生きる喜び・楽しさを味わえるようになりました。
現在は自己の体験を活かして、人が自分らしさを発揮し、自由に人生を創るサポートを行っています。